本邦大学卒業者(特定活動告示46号)事例

ご要望

 飲食店で、接客と通訳ができる外国人を採用したいので、マッチするビザを申請して欲しい。

ビザの要件

 1 外国人

  ・ 日本の大学を卒業
  ・ 日本語能力試験 N1(最高難度)レベル

 2 日本の受入企業

  ・ フルタイム
  ・ 日本人と同等以上の賃金
  ・ 単純労働でない
  ・ 複雑な日本語を用いる業務

お客様の課題

1 「特定活動告示46号(本邦大学卒業者)」(以下「特活46号」)ビザの要件が日本の大卒者でN1保有者だと聞いているが、他の要件が分からない。

2 他の就労ビザ(「技術・人文知識・国際業務」ビザ、「特定技能1号(外食業)」ビザ)との違いが分からず、店に合うビザが分からない。

対応

 ご相談は、インバウンド客の来店が多いブランド牛専門店の店主の方からで、かつてコロナ禍で本国へ帰国するまで働き、主にインバウンド客に対応していた外国人従業員を、コロナ禍が明けたので再度雇用したいが、どのビザが良いか分からないので、適切なビザを申請して欲しいというものでした。

 お客様がお聞きのとおり、日本の大学を卒業しN1を保有する外国人を雇用する場合、特活46号ビザの要件に該当しますが、それだけでは許可は下りません。日本の受入会社の労働条件や業務内容にも要件があります。
 しかし、それが他の就労ビザとどう違うのか、お客様には分からず、同業者に聞いてもそのビザでの雇用経験がないとお悩みでした。

 従来の就労ビザは「技術・人文知識・国際業務」ビザが多く、通訳は当てはまりますが、大卒又は日本の専門学校卒という学歴要件があり、現場作業は禁止されているホワイトカラービザです。
 2019年に開始された「特定技能」ビザは現場作業をするブルーカラービザで、日本語試験と分野ごとの技能試験があり、日本語レベルはN4が要件です。
 特活46号ビザも2019年に開始された新しいビザで、複雑な通訳を要する接客などお店での現場作業も兼ねることができますが、日本の大学卒でかつ日本語専攻又はN1保有という厳しい要件から、雇用経験のある会社がまだ少ないのが現状です。

 このビザを取るには、学歴とN1レベルの証明の他に、日本の会社がフルタイムで日本人と同等以上の賃金であることを労働条件書により立証し、かつ業務内容も単純労働ではなく複雑な日本語を用いる業務であるという雇用理由書を作成して立証しなければなりません。

 本件の待遇は店長で労働条件はクリアしていましたので、サポートは雇用理由書の作成代行が中心でした。ブランド牛は偽物が多く出回っているため、接客では品質保証の説明が重要となることや、担当する予定のインバウンド客向けの海外SNSによる広報戦略が、今後の会社の成長に欠かせないことなどを聴取して書面にし、申請しました。
 現在は、本国での仕事の満了を待って来日されるご予定で、引継ぎと来日準備に追われているそうだと店主の方が嬉しそうに語って下さいました。