技術・人文知識・国際業務 事例

ご要望

 越境EC・海外輸出事業を展開する法人において、海外取引及び翻訳・通訳業務を担当する外国人社員の在留期間更新許可(技術・人文知識・国際業務ビザ)を取得してほしい。

ビザの要件

1.就労する外国人(申請人)

① 従事する業務に必要な学歴(大学等での専攻)または一定年数以上の実務経験を有していること。
② 日本人が従事する場合と同等額以上の適正な報酬を受けていること。
③ これまでの在留状況・納税状況等の公的義務の履行が良好であること。

2.所属機関(受入企業)

① 行う業務が「技術・人文知識・国際業務」(専門的・技術的分野/ホワイトカラー業務)に該当し、十分な業務量があること。
② 独立した実態のある事業所を確保しており、事業の安定性・継続性が認められること。

お客様の状況と課題

1.主要事業の転換(取扱商材の変更)

 設立当初に定款へ定めていた農産物の輸出事業から、海外需要の高いホビー商品・キャラクターグッズ等の越境輸出業へと主力事業を転換しており、商材変更後も「海外取引業務」としての職務の一貫性・在留資格該当性が認められるか不安がある。

2.決算期跨ぎによる最新税務書類の未確定

 申請時期がちょうど会社の決算期を跨ぐタイミングに当たり、最新事業年度の法人税確定申告書等の確定書類が手元に揃わない状況であった。

3.事業所要件および法改正への対応

 事業拡大に伴い自宅兼事務所から独立した事業所(事務所兼倉庫)への移転を進めていたものの、契約関係や登記、実態写真等の整備を申請に間に合わせる必要があった。

4.法改正(経営管理ビザの新基準)を見据えた日本人常勤職員の雇用体制

 昨秋の法改正に伴う経営管理ビザの新基準(日本人等の常勤職員の雇用義務化等)への適合を見据え、外国人経営者様の在留の安定と会社のコンプライアンス体制を強固にするため、日本人常勤職員の雇用実績を適切に証明・アピールする必要があった。

5.納税関係の公的証明書の発行制限

 申請人が前年途中に入社・来日して間もないため、市区町村の窓口で通常の住民税課税証明書・納税証明書が発行されない状況であった。

行政書士事務所NEW STAGEの対応

 ご相談をいただいたのは、越境輸出ビジネスを展開されている企業の外国人経営者様からでした。
 海外取引の中核を担う重要な外国人スタッフ様のビザ更新時期が迫っており、事業の急成長に伴う社内環境の変化や法改正への適合をどのように入管へ説明すべきかお悩みでした。

 当事務所では、まず受入れ企業様の事業スキームと申請人様の職務内容を丁寧にヒアリングいたしました。
 事業転換については、取り扱う商材が農産物からホビー商品へ変わったものの、「日本の優れた商品を海外の顧客へ輸出・販売する」という越境取引のビジネスモデル自体は一貫していることを整理しました。

 その上で、申請人様が母国の大学で学んだ専攻知識や過去の海外営業の実務経験が、現在の輸出実務・翻訳通訳業務に直結し、即戦力として会社に不可欠であることを立証する詳細な「申請理由書」を作成いたしました。

 また、最新の決算書類が添付できない点については、前年度の確定申告書における売上増や大幅な赤字縮小(黒字化傾向)といった経営改善の実績を客観的数値で示しつつ、日々の取引台帳(総勘定元帳等)を精査・抜粋して添付することで、事業の継続性と安定性を論理的に立証しました。

 さらに、事業所の独立性を証明するため、司法書士法人等と連携して速やかな本店移転登記をサポートし、執務環境・空調設備が整った実態写真を添付資料として網羅しました。

 あわせて、昨秋の法改正に伴う経営管理ビザの新基準(日本人常勤職員の雇用等)への適合を見据え、受入れ企業様がいち早く日本人従業員を常勤職員として適法に新規雇用(週30時間以上、社会保険・雇用保険完備)した実績について、雇用契約書兼労働条件通知書や身分証明書等の確実なエビデンスを整えて提出しました。

 これにより、経営者様の在留の安定性と会社の法令遵守姿勢を強力にアピールし、ひいては申請人様が長期的に安心して勤務できる雇用の安定性・継続性へと論理的に結びつけました。

 納税証明書が発行されない事情についても、市区町村発行の「未納がないことの証明書」や給与支払報告書等の代替書類を整え、公的義務を適法に履行している旨を丁寧に補足・立証いたしました。

結果

 申請後、入管からの追加質問や立証要求(追加資料提出通知)を受けることもなく、無事に1か月で「許可」をいただくことができました。

 お客様からは、「事業の変更や書類の準備に不安が多かったが、中野先生が会社の状況を的確に把握し、説得力のある理由書と万全の立証資料を整えてくださったおかげで、安心して本業に専念できました。無事に許可が出て本当に救われました」と、大変喜ばしいお声をいただくことができました。